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11月7日、金曜日。
今日は「空と土プロジェクト」第3回となる、
初めての1泊2日ツアー当日でした。
行き先はこれまでと同じく、山梨県北杜市にある「増富地域」。
約20名が参加して、今回は荒地を元に戻す開墾体験ツアーでした。
まだビジネスタイムの雰囲気が漂う、平日夕方の大手町を出発し、
一行は一路、山梨県へと向かっていきます。
到着予定時刻は、19:30。
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代官町から首都高速に乗り、思いのほかスムーズに進むバス。
車内では参加者がそれぞれ、自己紹介を行っていました。
自己紹介がちょうど終わったところで、一行は談合坂のパーキングエリアに到着。
さすがにここまで来ると、あたりはグッと冷え込んでいました。
増富地区は現在、紅葉が見ごろだとか。しかしもっと寒いという情報も…。
休憩後の車内では、次はビデオの鑑賞。
「NPO法人えがおつなげて」の代表である、曽根原さんが出演した番組で、
増富のことを、少しだけ予習しました。
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須玉インターチェンジを下り、いつもどおり曽根原さんをピックアップ。
増富に着くまでのあいだ、軽快なトークでガイドさんをやってくれます。
地域の特徴や特産品、歴史、さらには紅葉ポイント、。
そして、意外と知られていないマツタケの名産地であることなど…。
話に耳を傾けつつ窓の外を見ると、バスはいよいよ増富地域へ。
建ち並ぶ家屋は、限界集落のイメージよりも多いものの、
ほとんどの家屋には部屋の明かりが灯っていない様子。
曽根原さんの話では、なんと3割近くが空き家だそうです。
地域の危機を、リアルに感じる瞬間でもありました。
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バスは本日のお宿である「五郎舎(ごろうや)」という民宿に到着。
趣深い古民家のような佇まいが、いかにも心を癒してくれそうです。
「夕食の準備は、もうできていますからね〜」
荷物を各々の部屋に置き、一行はすぐ食堂に移りました。
そこには、テーブルから溢れんばかりの料理の数々。
この地で採れたもの、季節のものがふんだんに使われていました。
それを、地酒や地ワイン、それと楽しい会話で食していく…。
お腹は満たされ、心は癒されるような時間でした。
突然、パッと食堂の照明が消えました。
すると台所から、ロウソクの点いたケーキが登場。
17日に47歳の誕生日を迎える、ちょっと早い曽根原さんのバースデイ。
お礼に曽根原さんは、自らが作詞・作曲された曲を歌ってくれました。
夕食をひととおり済ませると、食堂はそのまま交流の場に。
お互いの話、仕事の話、地域や趣味の話など、
会話は消えることなく、夜は更けていきました。
みなさん明日は7時起床ですよ。ほどほどにね(笑)。
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薄明るい窓の外を眺めると、空はあいにくの灰色模様。
風も強く、増富はまさに冬のお天気になっていました。
山間部では小雪もちらついた模様。今日は防寒対策が重要ですね。
朝食を済ませて今日のスタートは、増富地域に関するレクチャーから。
人が減り、自然の手入れが行き届かなくなり、農村は次第に形を壊していく。
言わずもがなですが、テレビで見るような日本古来の農村の美しい景観は、
そこに住む人々の暮らしや生活のなかで、育まれてきたものなんですよね。
曽根原さんのレクチャーを聞きながら、
増富地域にはいま、何が必要とされているのか。
これから行う開墾作業にも、少し意識が引き締まる思いがしました。
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レクチャーを終えたあと、一行は長靴を履き開墾を行う場所へ。
そこは「耕作放棄地(遊休農地)」と呼ばれる、もとは畑だったところでした。
うっそうと生い茂る雑草やススキ、イバラ、さらには直径10cmはあろう木まで。
広さにして約240坪の土地を、鎌(かま)とスコップで整える、これが開墾作業でした。
NPO法人えがおつなげての小黒さんから、鎌とスコップの使い方を教わります。
時間にして50分。
最初は終わりの見えない作業に少々気が滅入るものの、
黙々と鎌で雑草を刈り進み、ふっと後ろを振り返ると…。
ぼうぼうだった景色が晴れ、土と畑の輪郭が見えてきたのです。
この達成感こそが、開墾作業の大きな醍醐味。


ススキの根っこは、見かけによらずとても大きい。
3〜4人かかりで根っこを掘り起こします。
その手ごわさと根っこが抜けたときの爽快感に、
思わず「とったど〜!!!!」と叫んだ人もいました(笑)。
きっとまだ未体験の方も、そんな気持ちになるはずです。
作業時間の終わり頃になると、
さっきまでの荒地がキレイな土地に様変わり。
もちろん、ここからするべき作業はたくさんあるのですが、
まずは農地復興の第一歩。開墾記念(?)に集合写真を残しました。
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続いて一行は、すぐ近くの御門集落にバスで移動。
今度はそこで、棚田(たなだ)の開墾作業を行います。
一緒に参加してくれたのは、地域の住民の方々でした。
御門(みかど)にある棚田は、須玉のほうから増富地域に向かって車で来ると、
まず最初に見える非常に開放的で景観のよい所にあります。
それが、現在ではやはり開墾に携わる人の少なさから、荒れ放題。
「この場所を、もとのキレイな景色に戻したい」
それが、御門に住む方々の願いでした。
地域の方々はチェーンソーで、私たちは鎌で。
さっきよりも少し広い地域を、一心に開墾していきます。
田んぼだったということもあり、足元はかなりのぬかるみでした。
しかし、やっぱり人手がいれば作業もすぐ終わる。
1時間とかからず、棚田の雑草はほとんどなくなりました。
問題は、担い手があまりに少ないことではないのか。
一行は集落が抱える問題の核心が、少しずつ見えてきました。


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開墾作業で汗を流したあとは、もちろんおいしい昼食。
近くにある御門の公民館で、郷土料理のおもてなしがありました。
大皿に乗っかっている料理を、自分の小皿に各々が取るスタイル。
自分の田舎もこんな振る舞い方だったなと、懐かしむ方もいたのでは?
心なしか、普段よりも箸が進んだような気がします。
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お腹も落ち着いたところで、次はディスカッションの時間。
この日のテーマはもちろん、今日のように開墾した土地をどう活かすか、でした。
現在、北杜市にある5500ヘクタールの農地のうち、1000ヘクタールは遊休農地。
それがいま畑や水田としての機能を取り戻したとしても、担い手が明らかに足りない。
また担い手は少しずつ増えてきているが、利便性のある地域に集中してしまう。
さらには農作業者の高齢化やランニングコストの高騰など、障害は山積しています。
こうした課題に立ち向かうため、農家を集団形成する「法人化」への移行や、
ボランティア活動の活性化など、様々な対策は行っています。
やはり中心となるのは、どうやって人材を確保するか、でした。
一行が感じたのは、今回の体験を「体験で終わらせない」ということでした。
都市と農山村が本当の意味での交流をするためには、
お互いがもっと懐柔し、理解しあい、意義を持って活動を行う。
実態を知ったところで、このあとの行動や心境に変化が起きなければ、
ただの体験で終わってしまい、都市と農山村はつながらない。
社会全体が元気になるために、お互いがどう手を取り合うか。
そんなことを、真剣に考えるディスカッションの場になりました。
印象的だったのが、
「御門にこんなに多くの人が来ることは、今までなかった」
という一言でした。
いつか、増富に住む方々と行き交うとき、顔なじみの挨拶ができる。
空と土プロジェクトがそんな温かい活動になっていければと、
感じずにはいられませんでした。
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御門の方々と笑顔でお別れし、開墾作業の全日程を終えた一行は、
次は疲れて冷えた身体を温めるために「増富の湯」へ。
2日間活動を共にしていたこともあり、
湯船のなかでも会話は弾んでいました。
今回のツアーを通じて、それぞれ感じるところはあったようです。


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開墾体験ツアーに参加して、みなさんが感じたこと。
それは、単に地域の現状を垣間見るという体験ツアーではなく、
この活動に限らず日本社会、都市と農山村がお互いに元気になるために、
私たちがやるべきこと、手を取り合うべきことは何なのかを考えなければならない。
そういうハートの部分であったのではないだろうか、ということでした。
農山村だけに言えることではなく、人間が1人でできることは限られています。
今回の開墾体験ツアーを通じて、地域の現状はもちろんのこと、
人がつながることの意味を少しでも感じることができたのであれば、
このツアーは大成功だったのではないかと思っています。
冬もすぐそこ。農作業はしばらくの休息を迎えます。
みなさん、今回も本当にお疲れ様でした。
