トマトの話

みなさん、こんにちは。

暦の上では大寒(だいかん)、一年の内で最も寒さの厳しい時期になりました。われわれ農場スタッフも、この時期は農作業は一休み。昨年の営農結果の振り返りや、今年の作付計画の作成など、事務作業にいそしむ日々が続いています。
そんな中、昨年のことを振り返りながら、今回は昨夏の空土バスツアー「親子夏野菜収穫体験」でも参加者の皆さんに収穫してもらった「トマト」についていろいろと書いてみたいと思います。

トマトはナス科の植物であるということを皆さんご存知でしたか? トマトはナス科トマト属の植物で、世界にはなんと8,000種類以上ものトマトが存在します。最初に栽培されたのは西暦700年代の初頭、アステカやインカの民によってであると言われています。その後、スペイン人がラテンアメリカに到達した際にヨーロッパに持ち帰って栽培されるようになりましたが、イギリスでは鮮やかな赤色がもてはやされた反面、毒があると信じられて、当時は観賞用として利用されていました。日本には江戸時代の寛文年間頃に長崎に伝わったのが最初。青臭く、また真っ赤な色が敬遠され、こちらも当時は観賞用で「唐柿」(からがき)と呼ばれていました。

以上、トマトの豆知識でした(笑)。さて、えがおファームで栽培しているトマトは、自然農法での交配種である「ボニータ」という品種で、中玉で甘みが強く、完熟したものは糖度が7~8度と通常のトマトの倍近い甘さです。

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育て方ですが、3月中旬に種まきをした後、ビニールハウスで苗を育て、5月下旬頃に畑に定植。2ヶ月以上も温室で育てた後の畑デビューです。昨年は畑に移した途端に枯れかけた苗が多く見られ、心配させられましたが、その後はきちんと生育して一安心。

えがおファームの野菜の中でも、トマトは最も手のかかる作物の部類に入ります。まず、トマトはあまり水気を好まないので、屋根をかけて雨から守ってあげます。こんな感じです。

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この後、誘引や芽欠きといったさまざまな手入れをして、はじめて収穫にまでたどり着くのです。下は誘引の写真。このように茎を一本一本支柱に縛りつけて、きちんと上に伸びていくようにしていきます。

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そして8月に入ると、ようやく収穫の時期となります。これだけ手をかけて育てたものなので、実が赤く色づいて最初の収穫を迎える時は嬉しさもひとしおです。

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昨年は気候に恵まれたせいもあってか、例年よりも収穫量が多かったです。ただ、トマトは連作(=同じ場所に同じ作物をつくること)ができないタイプの野菜なので、今年はどの畑に作るか、これから頭を悩ませる日々が始まります。ともあれ、空土ツアーで皆さんに増富の美味しいトマトを食べてもらえるよう、今年も頑張ります!

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以上、農場スタッフがお届けしました。

畑の片付け

11月下旬になると、空土ファームがある増富の黒森地域では畑の片付けに追われます。
そして11月までに畑の片付けを終わらせて、今年度の農作業が終わりというのが
この黒森地域の慣わしのようです。
この時期作業をしていると、黒森地域の人は毎年同じように11月末までに畑を片付け、12月になると畑に人の姿を全く見なくなります。
この地域の人は、12月~3月の4ヶ月間は農業はやらず、家でのんびりしたり、他の場所に出稼ぎに行ったりします。昔はこの時期、炭焼きなどで生計を立てていたそうです。

最初は、なぜ追われてでも11月までに片付ける必要があるかと思っていましたが、
実際に作業をしているとよく分ります。
なぜなら、12月になると黒森地域は、朝-5℃近くになり、霜が降り、作業がとてもしづらくなります。畑が凍ってしまい、何もできない時が多くなります。

12月後半になると雪が積もり畑が凍るため、黒いビニールマルチがはがれなくなってしまい、クワですら土に入らなくなり、つるはしを使ったこともあります。


もう一つの理由として、この寒さの中で体を冷やして作業をするのは、それ程効率が良くないということです。それなら、11月のまだ寒さが厳しくない時期に頑張って終わらせてしまった方が良いということです。

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これは唐辛子ではなく、ピーマンを置いておき、赤くなったものです。
寒々しい空ですが、株を抜き、それらを集めて、ビニールマルチをはがし、
片付けを終わらせます。

なすやピーマンの茎も土にかえるからそのまま畑に捨てておけばいいのではと
思いますが、全て手で抜き、集めて畑の外に出してしまいます。
なぜなら、茎などの硬いものは翌年の春に畑を始める時まで残ってしまうからです。

片付けるのは、暖かくなった翌年の春でもいいではないかと思いますが、春は種まき、植え付けなどで忙しく、畑の片付けをする時間を取りづらくなります。


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分かりづらいですが、なすとピーマンの畑です。
12月には枯れてこのような状態になります。
このなすとピーマンの茎を抜き、黒いビニールマルチをはがして
畑の片づけをおこないます。

「茎や雑草など作物を作ったカス」を残渣(ざんさ)と呼んでますが
その残渣を集めて、軽トラの荷台に載せ
残渣を捨てる場所に運んでいきます。


夏から秋にかけずっと収穫できたことを感謝して畑を片付けると、
1年が終わったことを実感します。
そして畑を元のまっさらな状態に戻して冬を越します。


収穫作業などとは違って見た目では華やかさはなく地味な作業ですが、
翌年を迎えるにあたり、畑の片付けを終わらせておくかどうかによって
気持ちが違ってきます。

畑を片付けないと年を越す気分にならないというところが
どこか年末の大掃除に似ています。

増富地域の人は慣れていて、片付けを含めいろいろ作業が早いですが、
遅れを取らないようにやっていけたらと思います。


以上、畑の片付けについてのお話でした。

 

2011年10月26日 酒米ひとごこち 等級検査!

みなさん、こんにちは。
今回は10月26日に行われた酒米ひとごこちの等級検査の模様をお届けします!

この等級検査、昨年度(2010年度)は54袋(1袋=約30㎏)、約1620㎏が全て
1等米となり、純米酒「丸の内」を仕込むことができました。
1等米以下は、2等、3等と等級は下がっていきます。
お米を栽培したものにとって、等級検査は学期末の通信簿のようなもの。評価が悪いより良い方が、嬉しいものです。3等米までなら「純米酒」などの特定名称をつけることができるのですが、昨年同様に1等米になりますように...と、ドキドキした気分で、この日を迎えました。

今年度(2011年度)は、酒米を作付する田んぼを変更したり、面積を拡大したため、収量が72袋、約2160㎏となりました。
それをえがおつなげての古民家事務所から皆でトラックに積み込みます。

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この米袋、一袋約30kgもあるのです!


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検査は、北杜市地域を管轄している「JA梨北(りほく)」の施設で行います。
さすが農協、設備が立派です。


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私たち以外にも、北杜市内の生産者が作ったお米を検査してもらうため搬入しています。
こしひかりやひとめぼれ、ミルキィークイーンなど、集まったみなさんが思い思いに
作ったものばかり。
みなさんもドキドキしているようです。


検査は専用の米袋を購入し、JAの検査員が目視と、水分含有率の測定を行い、
等級付けをしていきます。
各袋とも2ヶ所ずつ穴をあけ、お米を抜き取り、全ての米袋を検査していきます。

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水分は15パーセント以下と、定められています。


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そして農協職員の目視により、お米の整粒歩合を見ています。
そしてその結果は・・・?

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ん? チョークにより米袋に「1ト」と書かれています。
これが判定したサインだろうと思い、他の生産者に聞くも「わからない」と
いう人ばかり・・・これは一体何を表しているのでしょう?

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2重の判子も押されていきます。
これも何の印なのかまったくわからず・・・。

その矢先です。
誰彼構わず聞いていたら(笑)、「これは1等のことを表して書いているんだよ」と、
教えてくださった方が!
確かに「1ト=1等」と読めなくもありません。
その後、農協の方から正式な書面をいただきました。


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2年連続して、1等! そして増収!!
確かに、「1ト」とは「1等」を表していました。
また、2重の判子は1等を表す印だそうです。
それは、4月からの苦労が報われた瞬間でもあったのです。


その足で、さっそく純米酒「丸の内」を仕込んでもらっている萬屋醸造店の中込社長に
連絡をしたところ、「おめでとうございます! 気をつけて持ってきてください!」と
嬉しいお言葉をいただきました。
その足で、早速納品へ。


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社長直々に、フォークリフトでお米を下ろしていただきました。

このお米で、今年も純米酒「丸の内」を仕込んでもらっています。
スタッフ一同、2月の酒蔵見学を楽しみにしております!


以上、農場スタッフからの酒米、等級検査についての報告でした。


ハウス作り


空土ファームで野菜やお米を大きく育てておいしいものにするためには、
いろいろな手間をかけています。いきなり畑に種を種いたのではできない
ものがたくさんあるからです。
その理由の一つに、空土ファームがある増富地域は標高が高く、1月~3月は
畑が凍ってしまうほど寒いため、この時期に種を播いて芽が出たとしても、
そこから大きく成長しないということがあります。
 
そのため、ビニールハウス(以下ハウス)で暖かい環境を作ってやり、
そこで種を播き、苗を育てる必要があります。
酒米を作るのにも、籾を播き、田植えが始まる時期までずっとハウスの中で
稲の苗を育てます。
2011年度は酒米の苗や他のお米の苗を育てるのに、広いハウスが必要になり、
大きいハウスを増設しました。ここでは、4月の上旬に行ったハウス作りの様子を
ご紹介します。

作っている時は試行錯誤でやっていて、大変だった部分や
面白い部分もあり、文章ではうまく伝わるかどうかわかりませんが
このような流れで作業していたというのを、お伝えしたいと思います。

スタッフはみなハウスを作るのが初めてで、
ハウスを建てた場所は、以前のハウス(写真 右)がある下の田んぼです。
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縦の長さは25メートル。
まず、田んぼのどの辺りに建てるのかを考え
ハウスの長さが入るかどうかを計り、場所を決めます。

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長さを計っている時は、本当にしっかりしたハウスが建つのだろうか・・・
こんなに大きなハウスを建てられるだろうか・・・などと
少し不安な気持ちにもなります。


場所が決まったら、下記のようにハウスの足を立てるために穴を掘ります。
穴を掘る時は、写真のような道具を手で回して深く掘っていきます。
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田んぼということ、近くに川が流れていることがこの作業を
かなり難しいものにさせました。

田んぼというのは、作る時に水が漏れないように土の下は石がたくさん
埋まっています。
中には一人では持ち上げられないくらいの巨大な石が眠っていました。
そのため、回して掘っていく道具だと掘り進めず、スコップやつるはしで
穴掘りをして、工事現場のような穴を掘り、ハウス作りというよりは
土木作業をやっているような状況でした。
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写真のようにスコップで穴を掘り、そこにパイプを建てていきます。
パイプを建てるのは2人いれば、ほとんど時間がかかりません。
穴を掘るのが一番かかります。


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あっと言う間にできたように見えますが、
穴掘りにてこずり、ここまでいくのにも3日はかかりました。


外側のパイプを建てたあと、天井にパイプを通して固定します。

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4月の初旬でしたが、夕方になると風が冷たくて
高い場所での作業は寒さが身にしみました。

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天井にパイプを通し終わったあとは、肩の部分にもパイプを
通して固定していきます。
骨組みのゆがみを微調整してきれいに整えていきます。


そして、出来上がった骨組みを外から見るとこのような感じです。
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手前味噌ですが、骨組みだけでも外から見ると壮観です。
出来上がったような達成感に浸ってしまいましたが
このあとビニール貼りという一人ではなかなか難しい作業が
ありました。

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25mはとても広く感じます。
この後に、ビニールをかけて飛ばないように止めて完成です。

ビニールかけは風との戦いだったので、写真を撮っている余裕がなく
残念ながら写真が撮れませんでした。


 

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完成したばかりの時の写真は満足感に浸ってしまい撮っていません。
その後、どのようにこのハウスが育苗に使われたかの様子です。
あれだけ、広く感じたハウスも苗土のトレイを並べると
スペースにぎっしり詰まります。


ハウス作りは時間と労力がかかりますが、このハウスができたことによって
何枚もの田んぼの苗や夏野菜の苗を育てることができました。

ハウスを建てる場所によりますが、普通はスコップやつるはしまで使う必要が
ありません。たまたま、ハウスを建てる場所に多くの石が眠っていたため
今回は大変な作業になりましたが、無事ハウスが必要な時期までに
間に合うことができました。

以上、ハウス作りの報告でした。

スイートコーン


空土ファームでは今年もスイートコーンを作付けし、この夏よく実ったスイートコーンが収穫できました。
そのスイートコーンですが、度々ツアー参加者から
「これゴールドラッシュ?甘々娘?」
などと品種を聞かれることがあります。
空土ファームでは「キャンベラ」と呼ばれる品種のスイートコーンを作っています。


5月に種を播いたスイートコーンは成長し、7月には雄花と雌花が出てきます。

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これが雄花。花粉がたくさん付いています。
花粉といってもスギ花粉ではないのでご安心を。


その後、花粉が雌花に付いて受粉します。
何によって受粉が行われるかというと


「風」です。


スイートコーンは風の力によって花粉が落ち
雌花に付いて受粉します。
ですので、風媒花(ふうばいか)に分類されます。

ハチが飛び回ることで受粉が行われるものは
虫媒花(ちゅうばいか)に分類されます。

その後、背丈もグングン伸び、8月初旬には収穫を迎えます。
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無事収穫をむかえるには、いくつか必要な作業があります。


とうもろこしは種を播いて50日くらい経つと、1株に2~3つ実がつきます。そのままにしていても実はつくのですが、大きな実をつけさせるためには1つを残して、のこりは取り除いてしまいます。これを「芽かき」といいます。

「芽かき」の作業をしている時も、
「うーん、もったいない!」と思う時があるのですが、
実を1つだけ残すことで栄養が全て残った実に集まるようになります。
もぎ取ったものはそのまま捨てるのではなく、ヤングコーンといわれ、食べることができます。お店に行くとよく中華丼の中にも黄色い細長い物を見かけますね!

ヤングコーンができる7月頃は、雑草も勢いよく伸びてくるので、畦間の草刈りにも追われます。

種を播いて、85日~90日すると収穫時期を迎えます。
見た目はどれも収穫できそうに見えるのですが、収穫適期のものには見分け方があります。
①ヒゲが茶色く枯れているもの
②触ってみて先の方まで粒が入っていて、ガッシリしているもの


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こういうものは食べごろで、実がたくさんついていておいしいです。


収穫の仕方は左手で茎を押さえ、右手で実を持って下方向にもぎ取ります。
もぎ取ったスイートコーンは皮をむいて、そのまま生でも食べられます。空土ファームは標高が高いところで作っているため、とてもみずみずしく甘味があります。

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皮をむくとこのようにおいしそうな実が。
畑でそのままかじりついて、おいしいのは夏まっさかりの9月の初旬までです。


ただし、もぎ取った物は全てきれいなスイートコーンとも限りません。
有機・無農薬で作っているので、横に穴が空いていたり、ヒゲがなくなっている物はそこから虫が入って食べられている可能性があります。

外見は立派できれいなのに、皮をだんだんむいていくと
「くやしー」と声が出てしまうように
スイートコーンの頭をかじられているものがあります。
有機・無農薬に虫はつきものです。

虫にはかじられても、大きく成長してくれたスイートコーンを見て夏を迎えたことを感じます。
収穫後スイートコーンの畑を片付けると、いよいよ秋の匂いを感じます。
1年に1回しかできないスイートコーンの季節もあっという間に過ぎました。
また、来年も楽しみにしていてください。

以上、スイートコーンのご報告でした。